こんにちは。でるた兄さんです。
数年後にセミリタイアを達成した後、海外移住(お試し)を視野に入れて世界各地を旅行しています。
過去、人生でエジプト行きのチケットを何度か手配したことがありますが、アラブの春でやむ無くキャンセルしたり、高額な費用にビビってしまい行き先を変えるなど・・何かとイベントがありました。
ついに今回、念願のエジプト旅行に行くことができました。
現地では食や遺跡、人々に翻弄されつつも楽しい体験が叶いました。
今回は、その中でもエジプト旅行で私が最もストレスを感じた「バクシーシ」文化について、実体験をもとに詳しく解説します。
日本人旅行者の間では、エジプトは「世界三大うざい国」(インド、モロッコ、エジプト)の一つと言われています。
私も旅行前は、その言われ方に多少なりとも影響されていたのも事実。
物売りに腕を引っ張られたり、商店街でしつこく勧誘されたりすることを覚悟していました。
ですが、訪れてみると思っていたよりあっさり。スーク(市場)での物売りなどは声はかけてくるも、しつこい感じではなく、そこまでうざくは感じなかったです。
しかし、実際に私が旅行の中で最もストレスを感じたのは、頼んでもいないサービスに対する「バクシーシ」要求でした。
正直、これは旅行前にもっと知っておきたかった情報です。
今までインドなども旅行してきましたが、ここまでこう・・、恥じらいもなくあけすけに、あからさまに金銭を要求されると、なんと言うか・・。
旅行中も、いろいろと考え込むことが多い体験でした。エジプト旅行を計画している方、エジプトで特有の(?)バクシーシ、チップ文化に不安を感じている方の参考になれば幸いです。
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エジプトのバクシーシとは?チップとの違い

まずは、エジプト独自の「バクシーシ」文化について整理します。これをエジプト旅行前に理解しておくことで、現地での対処がずいぶん楽になりますよ。
バクシーシの本来の意味(喜捨・施し)
「バクシーシ(Baksheesh)」とは、もともとペルシア語由来の言葉で、富める者が貧しい者に施しを与えるという宗教的・社会的な慣習を指します。
イスラム教では「ザカート」(喜捨)という考え方があり、余裕のある者が困っている者を助けることは美徳とされています。バクシーシもこの流れを汲む概念で、日本の外務省の説明でも「富める者が貧しい者に施しを与える習慣」として紹介されています。
本来のバクシーシには、以下の3つの意味があります。
バクシーシの本来の意味:
- サービスへの少額の心付け(いわゆるチップ)
- 困っている人への施し・喜捨
- 手続きをスムーズにするための非公式な支払い(いわゆる袖の下)
同じ単語が「感謝のチップ」と「袖の下」の両方に使われるため、旅行者が混乱しやすいのが特徴です。文脈によって意味が変わるため、注意が必要です。
観光客が遭遇する「バクシーシ」の実態
本来の喜捨の精神から派生したバクシーシですが、観光客に対しては全く別の意味で使われることが多いです。
私がエジプトで実際に遭遇したバクシーシ要求の場面は以下の通りです。
観光客が遭遇しやすいバクシーシ場面:
- トイレ(係員が紙を渡してくるが、その見返りに要求される)
- ホテル(荷物運び、ドアマン)
- 観光地(勝手に写真を撮る、案内を始める、説明をする)
- 移動後(タクシー、空港送迎)
- 「親切」の後(道案内、ちょっとした手助けの後に要求)
特に問題なのは、こちらが頼んでいないのに勝手にサービスを始め、その後にお金を要求してくるというパターンです。
これはもはや「喜捨」とは言えず、正直に私が感じたことを言うと、日本語で言えば「たかり」に近い行為だと感じました。
聞いてみると、エジプト国内でも、この「バクシーシ文化」が観光に悪影響を与えているという論調の報道があるそうです。
「感謝」から「生き残りの手段」へ変質している、という指摘もあります。現地の方にとっても、必ずしも好意的に受け止められているわけではないようです。
チップ文化との違い
日本では馴染みが薄いですが、欧米を中心に「チップ」の文化は世界各地に存在します。バクシーシとチップは似ているようで、本質的な部分が異なります。
チップの基本的な考え方:
- 良いサービスを受けた後に、感謝の気持ちとして自発的に支払う
- サービスの質に応じて金額を決める
- 支払うかどうかは受け手側の判断
- 強制されるものではない
エジプトで遭遇したバクシーシの実態:
- 頼んでいないサービスを勝手に提供される
- サービスの後に高額を要求される
- 断りにくい状況を作られる
- こちら側が喜んでいなくても要求してくる
本来のチップ文化であれば、誠実なサービスに対して自発的に支払うものです。しかし、エジプトで遭遇するバクシーシの多くは、相手の意思に関係なく要求してくるという点で大きく異なりました。
私は良いサービスを受けたのならば、チップを払うことは当然と思っているので、抵抗はありません。
なんなら、お互いにとってもハッピーな流れになって終われると言う、気持ちよさがある。
誠実で満足できるな対応をしてくれた人には気前よく払いたいと思っています。
問題は、頼んでもいないサービスを勝手に始めて、高額を要求してくるという行為です。これは「チップ」ではなく、ただの「たかり」だと感じざるを得ませんでした。
実際に体験したバクシーシ要求とその対処

ここからは、エジプト旅行で実際に体験した出来事を具体的にお伝えします。
私が感じた、悪いバクシーシ要求と本来あるべきチップのやり取りの両方を経験したので、対比してご紹介します。
ギザのガイドからの高額要求(悪い例)
まずは、最も不快だったバクシーシ要求についてお話しします。
私たちは2日間、ギザとカイロのガイド付きツアーを利用しました。このガイドの方が、次の移動さきであるルクソールに向かうため、カイロの国内線空港まで送ってくれることになっていました。
状況の整理:
- 1日目:しっかりとガイドしてくれたため、それに見合ったチップを支払い済み
- 2日目:市内を回るだけで、いわゆるタクシー的な役割のみ
- 空港送迎:ツアー代とは別に、送迎費用として正規料金を支払い済み
すでにツアー代も空港送迎費用も支払っている状態でした。2日目はほとんどガイドらしいことをしていないし、空港送迎も「サービス」ではなく「契約」として費用を払っています。
ところが、空港に着く手前で、助手席から突然「バクシーシ」と言われました。
「あなたが楽しいと思ったなら、バクシーシをください」というニュアンスでした。そしてスマホの画面を見せてきて、そこに表示されていた数字が「1000」。
1000エジプトポンド。日本円にすると約3,300〜3,500円です。
エジプトの物価を考えると、これはかなりの高額です。現地では100〜200円程度でご飯が食べられる物価感覚です。それなのに、空港に送っただけで3,000円以上を要求されるのは、正直納得がいきませんでした。
しかも、すでに正規の送迎費用は支払っているのです(むしろその時点で相応に高額)。
追加で「バクシーシ」としてあからさまに高額を要求されるのは、私にとっては理解に苦しむ行為でした。
やり取りの経過:
- 最初は500ポンドを渡した → 嫌な顔をされる
- 「1000ポンドだ」と再度要求される
- 揉める。当然、私は怒り始める(こう言う時は、英語と日本語主体で言う)
- 揉めるのも面倒になり、最終的に800ポンドで手を打った
時間ももったいないのと、何より呆れてしまいました。どこまでお金に正直というか、恥ずかしさと言う気持ちもないのだな・・と。卑しさとまで感じてしまいました。
ここは日本との文化の違いを感じざるをえません。
結果として800ポンド(約2,600円)を払うことになりました。正直、非常に不快な体験でした。Whatsupなどでメッセージもあとできましたが、全て無視しました(きっと、少しばかり気にかける部分はあったのでしょうね)。
またカイロに戻ってきた時には連絡してね。でしたが・・(どうせ金)
ツアーの最中は楽しい会話も、集合時間の段取りなども時間通りにしてくれていたので、好印象でしたが、最後の最後にあからさまに金銭を要求してくることが、とても残念。
なんとも言えない気持ちになります。
バクシーシで支払った金銭が足りないと、それはそれで、たりないよ。あと500。
何かのサービスやものを買っているわけでもないのに、なぜかバクシーシの値切り交渉が始まる次第。
日本人にはない価値観。どうしても納得がいきにくいところです。
なぜ納得できなかったか:
- すでに正規料金を支払っている。1日目にはチップも支払いした
- 2日目は実質タクシー程度の役割しかしていない
- こちらが喜んでいないのに高額を要求してくる
- 要求を断ると嫌な顔をされる
これが「バクシーシ」という名の下に行われていることに、本当に疑問を感じました。イスラム教の本来の喜捨の精神とは、違うのではないかと言うこと。
そもそも、最後の最後にいちいち要求しなくても・・。わかっているんだから、払う分には払うつもりではいたんですけどね。(ただし、1000ポンドはありえないですけどね)
不愉快になる時間自体がもったいないので、お金をぱっと出して、終わらせることにしました。
ルクソールのガイドへの自発的チップ(良い例)

一方で、本来あるべきチップのやり取りも経験しました。ルクソールで1日ガイドをしてくれた方の話です。
この方は、ギザのガイドとは対照的に非常に誠実な対応をしてくれました。
ルクソールのガイドの特徴:
- 時間を必ず守る
- こまめに連絡を取ってくれる
- 待ち合わせ場所にオンタイムで来てくれる
- 運転中も誠実に対応(余計なことは言わないが、忠実に仕事をする)
- 無理な要求をしてこない
- 運転は丁寧(だがしかし、車がどうしようもなくオンボロ・・)
もちろん、チップをなんとなく要求するような雰囲気はありました。しかし、それはあくまでコミュニケーションの一つという感じで、圧力をかけてくるようなものではありませんでした。
なんと言うか、自然に奥ゆかさを感じる雰囲気の方でした。
このガイドの誠実な対応に感謝して、自発的に500ポンドのチップを渡しました。
(何より、ルクソールの1日観光の足が全く見つからずといった状況の中、うまくマッチングできたので、それに対する感謝も計り知れなかった)
さらに、帰りの空港送迎も、通常200〜300円程度で行ける距離にも関わらず、ためらうことなく10ドル(約1,500円)を支払いました。
時間より早く、しっかりと待っていてくれたことも好印象だったから。
ちょうどナイルエアーでのカイロ戻り便の移動です。
なぜそうしたのか?このガイドのサービスが気持ちよく、本当に素晴らしかったからです。
本来あるべきチップ文化:
- 誠実なサービスに対して自発的に支払う
- サービスにちゃんとした、相手への気持ちが感じる
- 要求されるのではなく、こちらから渡す
- 支払う側も受け取る側も気持ちが良い
これが「チップ」本来の姿だと思います。ルクソールのガイドに対しては、心から感謝の気持ちを込めてチップを渡すことができました。
一方、ギザのガイドに渡した800ポンドは、不本意ながら「揉めるのが面倒だから」という理由で支払ったお金です。
この2つの体験は、バクシーシ文化の「良い面」と「悪い面」を象徴していると感じました。
バクシーシ要求の相場感
エジプトでバクシーシを求められた際、どの程度支払えば良いのか、相場感を把握しておくと交渉がしやすくなります。
ただし、これはあくまで目安です。物価上昇やインフレの影響で相場は変動しますし、観光地度合いや状況によっても変わります。
古い情報を鵜呑みにすると揉めやすいので、少額紙幣を多めに持ち、場面で切り替えるのが実用的です。
バクシーシの目安(あくまで肌感覚):
| 場面 | 相場目安 | 備考 |
|---|---|---|
| トイレ | 5〜20EGP | 係員がいる場合 |
| ホテル(ポーター) | 20〜50EGP | 荷物1個あたり |
| ホテル(清掃) | 20〜50EGP | 1日あたり |
| 観光地の案内 | 状況による | 頼んでいない場合は断っても良い |
| ガイド(1日) | 200〜500EGP以上 | サービス内容による |
| タクシー・送迎 | 正規料金に含まれる場合が多い | 追加要求は断って良い |
1エジプトポンド(EGP)≒ 約3.3円(2025年時点)
重要なのは、頼んだサービスには適切に支払い、頼んでいないサービスには払わないという姿勢を持つことです。
バクシーシ要求への対処法
実際にバクシーシを要求された場合、どう対処すれば良いのでしょうか。外務省の案内でも、払う意思がない時は「ラー(NO)」と言って、断る態度をはっきり示すことが重要とされています。
断る際に使えるフレーズ:
- La(ラー):NO
- La, shukran(ラー、シュクラン):結構です、ありがとう(断り+礼)
- Shukran(シュクラン):ありがとう(感謝を示す場合)
「ラー、シュクラン」は、断りながらも礼儀を保てる便利なフレーズです。覚えておくと役立ちます。
バクシーシ要求への対処のコツ:
- 頼んだサービスには払う、頼んでいないサービスには払わない
- これを自分ルールとして持っておく
- 線引きがはっきりしていると判断しやすい
- 頼んでいない案内は最初から断る
- 目を合わせず、移動を止めない
- 中途半端に反応すると「案内→要求」に発展する
- 小額紙幣を分散して持つ
- 財布を見せない
- 大きな紙幣しかないと高額を要求されやすい
- 毅然とした態度で断る
- 要求されるたびに払うと「要求すれば取れる」と学習される
- ただし、身の安全が第一。危険を感じたら無理しない
- すでに正規料金を払っている場合は追加要求を断る
- 契約として支払った金額がある場合は、それで完結
- 追加のバクシーシは「義務」ではない
私がギザのガイドに800ポンド払ってしまったのは、揉めるのが面倒だったからです。今思えば、もっと毅然と断っても良かったと思います。ただ、空港の送迎車の中という状況で、強く断るのも難しいものがありました。
このような状況を避けるためには、事前に「追加のバクシーシは不要、あらかじめの費用に含まれているので、絶対に払わない」と伝えておくのも一つの方法かもしれません。
「バクシーシ」と「ぼったくり」の境界
旅行者として注意したいのは、バクシーシと詐欺・ぼったくりの境界が曖昧という点です。
ぼったくりに近いパターン:
- 「無料だよ」と言われたのに後で請求される
- 勝手に案内・解説を始めて、最後に高額を要求される
- ラクダや馬車に乗ってから条件が変わる
- 親しげに話しかけて高額な店に誘導される
これらは「バクシーシ」という名前を借りた詐欺的行為です。本来の喜捨とは全く関係ありません。
一方で、トイレの係員やホテルのポーターへの少額のバクシーシは、エジプトの日常に組み込まれた慣習として受け入れられています。この区別を理解しておくと、現地でのストレスが軽減されます。
バクシーシの分類:
- 正当なバクシーシ:頼んだサービス、助かったサービスへの感謝 → 気持ちよく少額を支払う
- グレーなバクシーシ:頼んでいないが軽い手助け → 自分ルールで判断(反応しないのもOK)
- 避けたいバクシーシ:圧力・ブロック・脅し・囲い込み → 断る+その場を離れる
この分類を頭に入れておくと、現地での判断がしやすくなります。
まとめ
今回は、初のエジプト旅行で体験した「バクシーシ文化」について、実体験をもとに詳しく解説しました。
今回の学び:
- バクシーシの本来の意味は「喜捨・施し」
- しかし観光客に対しては「頼んでもいないサービスへのチップ要求」として使われることが多い
- ギザのガイドから1000ポンド(約3,300円)を要求され、最終的に800ポンドで妥協した
- ルクソールのガイドには誠実なサービスへの感謝として自発的に500ポンドを支払った
- 本来のチップ文化は「誠実なサービスに対して自発的に支払う」もの
エジプト旅行でのバクシーシ対策:
- 「頼んだサービスには払う、頼んでいないサービスには払わない」を自分ルールに
- 断る時は「ラー、シュクラン(結構です、ありがとう)」
- 小額紙幣を分散して持つ
- 頼んでいない案内は最初から目を合わせず断る
- 正規料金を払っている場合、追加要求は断って良い
このように、いろいろ考えさせられる体験もありましたが、エジプトは本当に素晴らしい国です。
ピラミッドやルクソールの遺跡群、ナイル川の風景は一生の思い出になりました。しかし、バクシーシ文化に関しては、正直なところ非常にストレスを感じたというのが本音です。
「世界三大うざい国」と言われるエジプトですが、私にとって最もストレスだったのは、物売りでも客引きでもなく、このバクシーシ要求でした。
事前に知っておくことで、心の準備ができます。
一方で、ルクソールのガイドのように誠実なサービスを提供してくれる方も確実にいます。そういった方には、ぜひ気前よくチップを渡してあげてください。
それが本来のチップ文化であり、遠慮なく支払うことで、旅を必ずより良いものにしてくれます。
エジプト旅行を計画している方、バクシーシ文化に不安を感じている方の参考になれば幸いです。
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